スティッキーセッション【sticky session】セッションアフィニティ

概要

スティッキーセッションとは、ロードバランサ負荷分散装置)の機能の一つで、セッションが続いている間は同じクライアントを同じサーバへ誘導する機能。
スティッキーセッションのイメージ画像

ロードバランサネットワークの入り口で、外部から内部のサーバへの接続を仲介する。同等の機能を持つ複数のサーバに対し、負荷がなるべく均等になるようにクライアントからのアクセス要求を振り分ける。

静的なWebサイトなどの場合はアクセス要求のたびに異なるサーバへ振り分けられても(コンテンツは同一なため)特に問題は無いが、ECサイトのように各クライアントの状態をサーバ側で管理するセッションの仕組みを利用している場合は、毎回同じサーバにアクセスできなければ状態管理を行うことができない。

このような場合に利用されるのがスティッキーセッションで、サーバセッション管理のために発行したHTTP Cookieなどの情報をロードバランサが読み取り、直前にアクセスしたサーバへ導く。ロードバランサが独自にCookieを発行してクライアントの状態を管理する場合もある。

なお、サーバクライアントの間でHTTPS接続(SSL/TLS)を行う場合には通信内容が暗号化されるためロードバランサCookieを読み取ってセッションを維持することができない。その場合は、SSL/TLS接続時に発行されるセッションIDで代用し、同じSSL/TLS接続を同じサーバに取り次ぐという対応になる。

(2025.8.29更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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