レジリエンス 【resilience】 レジリエント / resilient / レジリエンシー / resiliency

概要

レジリエンス(resilience)とは、回復力、復元力、弾力などの意味を持つ英単語。IT分野では、情報システムシステム障害や災害、サイバー攻撃などの問題に直面したとき、迅速に被害からの回復を図り正常な状態に復旧復元する能力(の大きさ)をこのように呼ぶ。

従来、企業などの情報セキュリティ施策では、外部からの攻撃を未然に防止・抑止するための対策が中心だったが、完全な防御策は無く、ひとたび攻撃が成功してしまうと大きな損害が生じる点が問題となっていた。

そこで、近年ではレジリエンスの考え方を導入し、攻撃が成功し被害を受ける前提で、早期に被害を検知できる仕組みや、被害拡大を防止し、影響範囲や損害の深刻さを最小限に留める仕組み、迅速に元の状態に復旧できるような事前対策などを整備する事例が増えている。

また、システム障害や災害対策などの分野でも、情報システムの正常な運用を妨げる有事が発生した際に、損害を軽減してITサービスの提供を継続したり、元の状態に復旧するための仕組みや組織的能力のことをレジリエンスということがある。

レジリエンスを高めるために、施設の遠隔分散配置や機器の二重化データの継続的なバックアップといった事前の、あるいは日常的な対策に加え、非常時の行動計画である事業継続計画BCPBusiness Continuity Plan)の策定、さらにBCP策定を含む総合的、包括的な事業継続マネジメントBCMBusiness Continuity Management)などがわれる。

(2021.10.17更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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