USB 3.0 【Universal Serial Bus 3.0】 SuperSpeed USB

概要

USB 3.0(Universal Serial Bus 3.0)とは、コンピュータ周辺機器などをケーブルで繋ぐ接続仕様の一つであるUSB規格の第3版。2008年に策定された。従来の転送モードに加え、最高5Gbps(ギガビット毎秒)の「SuperSpeed」モードが追加された。

USB 2.0では最高480Mbpsメガビット毎秒)までだった伝送速度が5Gbpsギガビット毎秒)に引き上げられたことで、フラッシュメモリを利用した高速なストレージ装置など大量のデータを送受信する用途での利便性が大きく向上した。

最大伝送距離は従来の5mから3mに短縮されたが、USBバスパワーの給電能力は500mAから900mAに増強された。ポーリング制御の廃止や待機モードの新設により、接続機器の消費電力の削減が可能となっている。

コネクタのピン数は従来の4本から9本に増設されたが、新たに追加されたピンは段差をつけてずらして実装されているため、従来の機器やケーブルとの互換性も確保している。USB 2.0と3.0の機器やケーブルが混在する場合は自動的に2.0の仕様で通信するようになっている。

標準のケーブル仕様も大きく変更され、従来は芯線が1対(2本)のUTPケーブル(非シールドより対線)を利用していたが、これに加え2対(4本)のSTPケーブルシールド付きより対線)が追加された。送受信を別のケーブルで行うことにより全二重通信が可能となり、大きく転送速度を向上させている。

USB 3.0に対応したホストコントローラの仕様は「xHCI」(Extensible Host Controller Interface)と呼ばれ、パソコンスマートフォンデジタル家電などで広く採用されている。複数のUSBポートを搭載した機器では2.0端子と3.0端子が混在することが多く、3.0対応であることが容易に識別できるよう樹脂部分が青く着色されている。

USB 3.0の登場以降、2013年にはUSB 3.1、2017年にはUSB 3.2という小規模な仕様改訂が行われ、3.1では最高10Gbps、3.2では最高20Gbpsでの通信が可能となっている。同時期に新しいコネクタ・ケーブル仕様の「USB Type-C」や新しい給電仕様の「USB Power Delivery」(USB PD)が登場し、USB 3.x対応機器・ケーブルの多くがこれらにも対応している。2019年には後継の「USB4」が登場した。

(2022.5.9更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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