読み方 : ユーエスビー

USB【Universal Serial Bus】ユニバーサルシリアルバス

概要

USBとは、主にコンピュータと周辺機器を繋ぐのに用いられるコネクタおよびデータ伝送方式の標準規格。キーボードマウスプリンタ、外部ストレージ装置などの接続方式として広く普及しており、スマートフォンなどモバイル機器の充電や外部との通信でも標準的な接続方式となっている。

金属線ケーブルで機器間を結び、データ通信や電力供給を行うことができる。シリアル伝送方式を採用したバス型(信号線共有型)の接続規格で、一つの伝送路を最大127台までの機器で共有することができる。

コンピュータ側には通常1~4つ程度のポート(差込口)が用意されており、これで足りない場合は「USBハブ」と呼ばれる集線装置を介してポートを増やすことができる。機器本体の電源を落とさずにコネクタを着脱する「ホットプラグ」に対応している。

初期に普及した規格(USB 1.1)では12Mbpsメガビット毎秒)、最新の規格(USB4)では80Gbpsギガビット毎秒)までの通信速度に対応する。当初はキーボードマウスなどの入出力装置から普及が始まったが、通信速度が向上するに連れて、ネットワークアダプタEthernetアダプタWi-Fiアダプタ)や外部接続の光学ドライブハードディスクなどに利用が広がっていった。

フラッシュメモリを内蔵した親指大のストレージ装置である「USBメモリ」もよく使われており、以前のフロッピーディスクや書き込み型光学ディスク(CD-R/DVD-Rなど)に代わって手軽なデータの受け渡し手段として普及している。日常的にはこれを指して「USB」と呼ぶことも多い。

コネクタ形状

USBのイメージ画像
PD image from commons.wikimedia

コンピュータ側を想定した大きなコネクタ形状と、周辺機器側を想定した小さなコネクタ形状が規定されている。当初はコンピュータ側は長方形の「USB Type-A」、プリンタなどケーブルが別になっている周辺機器では正方形に近い「USB Type-B」が用いられた。

USB 2.0ではデジタルカメラなど小型の機器向けに、小さな台形に近い形状の「ミニUSB」(Mini-A/Mini-B/Mini-AB)が規定された。Aはコンピュータ側、Bは携帯機器側、ABは携帯機器同士の接続(USB On-The-Go)用だったが、B以外は廃止になり、Type-AMini-Bを両端に持つケーブルが一般的となった。Miniよりもさらに小型化された「マイクロUSB」(Mirco-A/Micro-B)も規定され、スマートフォンタブレット端末などでよく利用されている。

USB 3.0ではType-BとMicro-Bの形状が変更になり、従来と互換性のない形になった。新たな小型のコネクタ仕様として「USB Type-C」が規定され、これまでのすべてのコネクタを置き換える新世代の標準として普及が進められている。USB4以降はType-Cのみが標準とされ、過去のコネクタ形状は廃止となった。

給電機能

USBのイメージ画像

USBにはデータ通信だけでなくケーブルの金属線を利用した送電(電力供給)についての仕様も定めており、装置を駆動するのに必要な電力の供給やバッテリー充電などに用いられている。小さな電力であれば電源ケーブルをコンセントから別に引いてくる必要がなく、利便性が大きく向上した。

初期の規格から存在する「USBバスパワー」では、電圧5V、電流500mA、電力2.5Wまでの給電が可能で、キーボードなどの大きな電力を必要としない装置の駆動に用いられる。プリンタハードディスクなど消費電力の大きな機器には足りないため、電源ケーブルで別途給電する必要がある。スマートフォンなど小型の機器や携帯機器ではUSBバスパワーが標準の充電方式になっていることも多い。

USB 3.1では従来より大電力の「USBパワーデリバリー」(USB PDPower Delivery)が導入され、USB Type-Cケーブルを用いて100Wまでの電力供給が可能となった。液晶ディスプレイコンピュータ本体などの電源ケーブルを代用できるほか、給電方向の切り替え、数珠繋ぎに他の機器を経由しての給電にも対応している。

USBデバイスクラス (USB device class)

USBのイメージ画像

USBでは機器の種類ごとに標準の動作仕様と対応するドライバ仕様を「USBデバイスクラス」として規定しており、この範囲内の動作についてはオペレーティングシステム(OS)に付属する汎用ドライバだけで利用することができる。USBメモリを別のコンピュータに挿してすぐにデータが移せるのもこの仕組みを利用している。

以前の接続規格では個別の製品ごとに必ず製造元が提供するドライバソフトを導入しなければ通信できなかったが、デバイスクラスで規定された一般的な機能は個別のドライバ不要で動作する。機器に固有の機能を利用したい場合などには、これまで通り付属のドライバを導入して利用する形となる。

(2024.6.18更新)

USBの用語一覧

他の用語辞典による「USB」の解説 (外部サイト)

資格試験などの「USB」の出題履歴

▼ ITパスポート試験
平29秋 問82】 USBに関する記述のうち、適切なものはどれか。
平26秋 問72】 USBケーブル経由で周辺装置に電力を供給する方式はどれか。
平23春 問87】 USBは、キーボード、マウスなど様々な周辺機器を接続できるインタフェースである。USB 2.0の機能にないものはどれか。
平22秋 問70】 USBは, PCにハードディスク、プリンタなどの様々な周辺機器を接続できるインタフェースである。USB 2.0に関する記述のうち、適切なものはどれか。
▼ 基本情報技術者試験
令7修6 問9】 USB 3.0の説明として,適切なものはどれか。
令5修7 問9】 USB 3.0の説明として,適切なものはどれか。
令3修7 問13】 USB 3.0の説明として,適切なものはどれか。
令1修12 問13】 USB 3.0の説明として,適切なものはどれか。
平30秋 問12】 USB 3.0の説明として,適切なものはどれか。
平29秋 問11】 USB Type-Cのプラグ側コネクタの断面図はどれか。ここで,図の縮尺は同一ではない。
平29修7 問12】 USB 3.0の特徴はどれか。
平29春 問10】 USB 3.0の説明として,適切なものはどれか。
平28修7 問11】 USBの説明はどれか。
平25修1 問12】 PCの周辺装置用のバスインタフェースであるUSBを用いた機器の接続方法として適切なものはどれか。ここで,網掛け部はUSB周辺装置を,――― はケーブルを表す。
平24修12 問13】 USBの説明はどれか。
平23修12 問12】 周辺機器との接続インタフェースであるIEEE 1394とUSBの両方に共通する特徴はどれか。
平23修1 問13】 PCの周辺装置用のバスインタフェースであるUSBを用いた機器の接続方法として適切なものはどれか。ここで,網掛け部はUSB周辺装置を,――― はケーブルを表す。
平22修7 問13】 周辺機器との接続インタフェースであるIEEE 1394とUSBの両方に共通する特徴はどれか。
平21秋 問11】 USBの説明はどれか。
平21修6 問12】 USB 2.0に関する記述として,適切なものはどれか。