RDX 【Removable Disk Exchange system】

概要

RDX(Removable Disk Exchange system)とは、着脱可能なリムーバブルストレージの規格の一つ。2.5インチ型のハードディスクSSDを専用のカートリッジに収めたものを記憶媒体(メディア)とし、コンピュータネットワークに接続された専用のドライブ装置に挿入・接続して、一般的なストレージ装置と同じように使用することができる。

RDXカートリッジには1台のハードディスクが内蔵されており、RDXドライブに容易に着脱可能な端子を備える。頻繁に着脱したり持ち運ぶことを想定し、静電気や衝撃に強い構造となっている。ハードディスクの代わりにSSDを内蔵したカートリッジもある。

RDXドライブコンピュータなどにSATAUSBなどで接続し、オペレーティングシステムOS)側からは通常のストレージ装置と同じように扱うことができる。大規模環境で利用できるよう、複数のカートリッジを挿入できるオートローダー型の製品やネットワークに接続するNAS型の製品もある。

RDXは企業などで使用頻度の少ない大量のデータバックアップする用途を想定した規格で、従来磁気テープ装置が用いられてきた用途で主に用いられている。磁気テープより読み書きが高速でランダムアクセス(任意の位置を指定した読み書き)が可能な一方、固定ディスク装置にはないポータビリティを備え、両者の利点を兼ね備えている。

ハードディスクカートリッジの容量は160GB、320GB500GB、640GB1TB、1.5TB、2TB、3TB、4TB、5TBなどとなっており、SSDカートリッジは初期には64GB、128GB、256GB、512GBなどが用意されていたが、現行の製品系列では500GB1TB、2TB、4TB、8TBが提供されている。

2004年に米プロストア・システムズ(ProStor Systems)社が発表した規格で、2011年に独タンベルグデータ(Tandberg Data)社が同社からRDX事業を買収した。タンベルグ社は同業の米オーバーランド・ストレージ(Overland Storage)社と共に2014年に米スフィア3D(Sphere 3D)社に買収された。

現在、両者は共同でオーバーランド・タンベルグ(Overland-Tanberg)ブランドを展開している。同社自身による「QuikStor」シリーズなどの製品の他に、NEC、富士通、HPE、マクセル、レノボなどが製品を供給している。

(2023.2.22更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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