パケットキャプチャ 【packet capture】 パケットキャプチャリング / packet capturing
概要
パケットキャプチャ(packet capture)とは、通信ネットワークや回線を流れるデータを捕獲(capture)して、内容の表示や解析、集計などを行うこと。通常はネットワークの管理・運用やトラブル時の原因究明、ソフトウェアの通信機能の挙動の検証などのために行われる。コンピュータや専用の機器を構内ネットワーク(LAN)などに接続し、ネットワーク上を流れるデータを自ら送受信するもの以外も含めてすべて取得し、その内容を蓄積・記録していく。
取得したデータはパケットやフレームなどの送受信単位で管理され、各々について内容を表示することができる。解析ソフトなどにより制御データ部(ヘッダ)に記載された通信の種類や送信元・宛先のアドレスなどを割り出したり、伝送データ部(ペイロード)が何を運んでいるのかを調べることができる。
データを継続的に取得し続けて、数量や長さなどを統計的に処理することにより、通信量(トラフィック)の水準や増減を監視したり、データの送信元や宛先、プロトコルの種類などによる集計を表示することができる。
パケットキャプチャを行うための装置やソフトウェアを「パケットキャプチャツール」あるいは「ネットワークプロトコルアナライザ」「パケットアナライザ」「LANアナライザ」「スニッファ」などと呼ぶ。
専用のハードウェアをネットワークに接続して解析するタイプの製品もあるが、多くの製品はソフトウェアとして提供されており、コンピュータのネットワークカード(NIC)が受信したデータを解析する。
NICは通常、受信したフレームの宛先などを分析して自分に関係がなければこれを破棄するが、「プロミスキャスモード」(promiscuous:無差別な)と呼ばれる特殊な動作モードに設定にすることで、自分の属するネットワークセグメントを流れるすべてのデータを受信することができる。
パケットキャプチャによって通信内容を送信者や受信者に気付かれずに閲覧することができるため、暗号化されていないパスワードやクレジットカード番号など、秘密にしたい通信内容の盗聴に悪用される場合がある。
(2020.4.19更新)