パブリックDNS 【public DNS server】
概要
パブリックDNS(public DNS server)とは、インターネットを通じて誰でも自由に利用できるDNSサーバ。どのネットワークからでも同じようにアクセスでき、ドメイン名の問い合わせ(対応するIPアドレスの割り出し)に回答してくれる。インターネット上のサーバなどへドメイン名を指定してアクセスするには、対応するIPアドレスを割り出さなければならず、対応関係を調査・回答してくれるDNSサーバへ問い合わせを行う。
このDNSサーバはコンピュータのネットワーク接続設定で指名する(「プライマリDNSサーバ」などの項目)が、通常は接続先のネットワーク(家庭なら契約先のインターネットサービスプロバイダ、企業などでは組織内のローカルネットワーク)に設置・運用されているものがDHCPなどを通じて自動的に設定される。
パブリックDNSはインターネット上でオープンに運用されており、どこからでも接続してドメイン名の問い合わせを行うことができる。自ネットワーク内に適切なDNSサーバが存在しない場合や、性能が低く応答が遅い場合、自組織の管理者が一部ドメイン名へのアクセス遮断(DNSブロッキング)を実施している場合などに利用される。
DHCPなどで管理者側から自動設定できないため、利用者が手動で設定しやすいよう覚えやすいIPアドレスで運用されることが多い。米グーグル(Google)社の「Google Public DNS」(IPアドレスは「8.8.8.8」)、米クラウドフレア(Cloudflare)社とAPNICが運営する「1.1.1.1」などがよく知られる。
非営利団体のCleanerDNS(IBM社などが支援)が運営する「Quad9」(9.9.9.9)はプライバシーに配慮して接続元のIPアドレスなどの通信記録を残さず、マルウェアに汚染された危険なWebサイトのDNS情報を遮断して利用者がうっかりアクセスしないよう保護する機能を提供している。
(2021.6.23更新)