DNSゾーン 【DNS zone】
概要
DNSゾーン(DNS zone)とは、インターネットのドメイン名の管理において、ある権威DNSサーバが自ら管理するドメインの範囲のこと。管理権限(オーソリティ)を持つドメインとそのサブドメインが含まれるが、管理を他のサーバに委任したサブドメインはそのゾーンから外れる。ドメイン名は階層構造になっているが、全ドメインを単一の主体が管理しているわけではなく、各ドメインの管理者がそれぞれ「権威DNSサーバ」を運用して配下のドメイン名についての情報を発信している。
ある権威DNSサーバが管理権限を持っているドメイン名の範囲がDNSゾーンで、上位の権威DNSサーバから委任されたドメインと、そのサブドメインのうち下位の権威DNSサーバに権限を委譲していないものが含まれる。自らが管理するゾーンについてはホスト名とIPアドレスの対応関係などを発信し、下位のゾーンについては委任先の権威DNSサーバの所在を発信する。
例えば、トップレベルドメインである「jp」ドメインは原則としてすべてのサブドメインの権限を各ドメインの割り当てを受けた法人や個人に委任しているため、DNSゾーンは「jp」のみとなる。一方、「example.jp」のゾーンは「example.jp」自身とそのサブドメイン(例えば www.example.jp など)である。
このとき、仮に「subsidiary.example.jp」というサブドメインを設けて権限を委任すると、subsidiary.example.jp およびそのサブドメインは example.jp のゾーンから外れ、独立したDNSゾーンとなる。example.jp の権威DNSサーバは外部から subsidiary.example.jp に関する情報の照会を受けた場合はこれに答え(ることができ)ず、subsidiary.example.jp の権威DNSサーバのアドレスを応答し、詳細はそちらに聞くよう促す。
(2023.12.11更新)