HINFOレコード 【host information record】 HINFO record
概要
HINFOレコード(host information record)とは、DNSで定義されるそのドメインについての情報(リソースレコード)の種類の一つで、機種やオペレーティングシステム(OS)の種類などを知らせるもの。ドメイン名とIPアドレスやその他の情報を対応付けるDNS(Domain Name System)では、権威DNSサーバが管理下のドメイン名やホスト名について、「リソースレコード」(RR:Resource Record)と呼ばれる情報を定義して発信する。情報の種類に応じて様々なレコードがあり、それぞれ名前や書式が定められている。
HINFOレコードはホストの機種(コンピュータの機種あるいはCPUの種類)やオペレーティングシステム(OS)の種類などをクライアントに伝える。例えば、BINDなどの設定ファイルで「sv1.example.com. IN HINFO "INTEL-386 WIN32"」のように記述すると、ホストsv1がx86系プロセッサのIAサーバ上で動作する32ビット版Windowsで運用されていることが分かる。
インターネットが一般に公開される以前の1980~90年代に用いられた古い仕様で、当時は同じサービスでも接続先のサーバのシステムの種類によって挙動が微妙に異なることがあり、クライアント側で対応が必要だったためにHINFOレコードによってシステムの種類を公開していた。
「INTEL-386」のようなシステムの種類を表す標準の文字列は1994年にRFC 1700の一部としてまとめられたが、2002年にRFC 3232で無効化された。インターネットが普及しシステムの情報をみだりに外部に公開するのは危険な状況となったため、現在では少なくとも本来の用途や目的で使用されることはほとんどない。
(2023.7.15更新)