TXTレコード 【text record】
概要
TXTレコード(text record)とは、DNSで定義されるそのドメインについての情報の種類の一つで、あるホスト名の付加情報を自由に定義するためのもの。DNSの仕様上は特定の用途や書式は定められておらず、管理者が任意の文字データを設定できる。ドメイン名についての情報を管理する権威DNSサーバでは、そのドメインについての情報を「リソースレコード」という形式で発信している。情報の種類に応じて様々なレコードが用意されており、TXTレコードは任意の文字情報を知らせるために用いられる。
著名なDNSサーバであるBINDのゾーンファイルでは「example.jp. IN TXT "任意の文字列"」のように記述する。一つのドメイン名に複数の異なるTXTレコードを設定することもできるが、TXTレコードが請求された場合にすべてのレコードの内容がまとめて送られる。
DNSを拡張してプロトコルや仕組みを実装する際、必要な情報の定義などに使われることが多い。例えば、自らがあるドメインを所有していることを証明するため、相手方の発行した符号を自ドメインのTXTレコードに記載して確認させる手法がある。これを「TXTレコード認証」と呼ぶ。
また、SPFやDKIM、DMARCなどのメール送信元認証・確認などの技術でも、管理者がTXTレコードに決められた書式でデータを載せておくことで当該ドメインの設定や情報を外部に提供する。その際の文字列の形式や記法はSPFなどの標準規格の側で定められている。
なお、TXTレコードに記載されたデータはDNSシステム上はバイナリデータとして送受信されるため、どのような文字コードで記述されていても伝送することができる。規格上は文字コードについての規定はなく、多くの場合にはASCIIコード(半角英数字・記号)が用いられる。TXTレコードを利用して情報を送受信する個別の規格が文字コードについての規定を設けることは否定されておらず、用途によってはASCII以外の文字列が記載される可能性もある。
(2024.3.5更新)