ゾーン情報 【DNS zone information】
概要
ゾーン情報(DNS zone information)とは、ある権威DNSサーバが管理する範囲(DNSゾーン)について、ホスト名やIPアドレスなどの対応関係、各種の管理用の設定などを記述したデータ。テキストファイルの形で管理する場合は「ゾーンファイル」と呼ばれることもある。インターネット上のドメイン名は「.」(ピリオド/ドット)で区切られた階層構造になっているが、ある権威DNSサーバが管理権限を持っているドメインの範囲を「ゾーン」(zone)という。一つのゾーンには、上位の権威DNSサーバから権限を移譲されたドメインと、そのドメインのサブドメインのうち他のDNSサーバに権限を移譲していないものが含まれる。
そのゾーンに関する様々な情報を「リソースレコード」(RR:Resource Record)と呼ばれる形式で列挙したものをゾーン情報という。これには、管理用の設定情報(SOAレコード)、当該ゾーンや移譲した下位ドメインの権威DNSサーバの情報(NSレコード)、ホスト名に対応するIPアドレス(AレコードやAAAAレコード)、ホスト名の別名(CNAMEレコード)、メールサーバの所在情報(MXレコード)などが含まれる。
ゾーン情報は通常、複数運用される権威DNSサーバのうち主系統(プライマリDNSサーバ)で管理者がゾーンファイルなどの形で作成・管理し、「ゾーン転送」(zone transfer)と呼ばれるDNSの機能により副系統(セカンダリDNSサーバ)に丸ごと複製される。ゾーン情報は公開情報であり、DNSサーバは各レコードについての問い合わせに回答するが「ゾーン情報にどんなレコードが存在するか」について答える機能は提供されない。
(2021.11.5更新)