権威DNSサーバ 【authoritative DNS server】 DNSコンテンツサーバ

概要

権威DNSサーバ(authoritative DNS server)とは、あるドメイン名情報を記録・管理する正当な権限を有し、そのドメイン情報についての外部からの問い合わせに応答するDNSサーバのこと。

インターネットドメイン名は階層構造で管理されており、各階層のラベルを右から順に「.」(ドット)で区切って表記する。例えば、「www.example.jp」は「jpドメイン空間内の「example」ドメイン空間内の「www」というホストを表している。

管理権限もこの階層構造に沿って移譲され、分散管理されている。権威DNSサーバは自らが管理権限を有するドメイン名空間(ゾーンと呼ばれる)についての情報を保持し、外部からの問い合わせに対して回答する。

例えば、「jp」空間の権威DNSサーバは「example.jp」空間の管理を「example.jp」の権威DNSサーバに委譲しており、クライアントから「example.jp」内のホスト名について問い合わせを受けると「example.jp」の権威DNSサーバの所在(IPアドレス)のみを応答する。クライアントは「example.jp」の権威DNSサーバに問い合わせを再送し、回答を得ることができる。階層が更に深い場合は、このプロセス再帰的に繰り返す。

権威DNSサーバは二系統以上用意することになっており、主系統を「プライマリDNSサーバ」、副系統を「セカンダリDNSサーバ」と呼ぶ。プライマリがオリジナルのデータを保持し、セカンダリプライマリから複製を受け取って保存し、プライマリサーバが応答できないときに代理で応答する。三系統以上用意する場合はセカンダリサーバを追加していき、オリジナルの情報は常にプライマリサーバが管理する。

これに対し、利用者からの任意のドメイン名名前解決の問い合わせを受け付け、当該ドメイン名を管理するDNSサーバへの問い合わせを(代理で)行い、結果を利用者に返答するDNSサーバを「DNSキャッシュサーバ」あるいは「キャッシュDNSサーバ」、あるいは単にキャッシュサーバなどと呼ぶ。ISPなどが利用者に提供しているのはこちらである。

(2022.9.6更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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