プライベートDNSサーバ 【private DNS server】
概要
プライベートDNSサーバ(private DNS server)とは、契約先や所属先ではなく、利用者側が自前で設置・運用するDNSサーバ。内部ネットワーク用に独自ドメインを使用する場合などに用いられる。通常、DNSサーバはインターネット上のドメイン名とIPアドレスや他の資源を対応付けるために用いられ、あるドメイン名についての情報を発信するDNSコンテンツサーバ(権威DNSサーバ)と、利用者からの問い合わせを受け付けて調査を行うDNSキャッシュサーバ(フルサービスリゾルバ)に分かれる。
プライベートDNSサーバはこのいずれかあるいは両方を利用者側のローカルネットワーク内で立ち上げ、インターネットで外部に公開せず私的に利用するものである。外部からアクセスすることはできず、ネットワーク内の利用者にのみ情報や機能を提供する。
プライベートDNSコンテンツサーバ
企業などの組織内ネットワークで資源の管理のために内部的なドメイン名を使いたい場合、独自のDNSコンテンツサーバを設置し、「.local」「.internal」などインターネット上では使われていないトップレベルドメインを用いてサブドメインやホスト名を割り当てていくことがある。
LAN上の機器は組織内の資源にアクセスする際にはプライベートDNSサーバに問い合わせを行い、対応するプライベートIPアドレスを得てサーバなどにアクセスする。同時にインターネット上の資源にもアクセスできるよう、一般のドメイン名についての問い合わせにも応じられるよう設定されることが多い。
また、ネットサービスやアプリの開発で、実際のドメイン名を利用してプライベートネットワーク内で試験を行いたい場合に、私的なDNSコンテンツサーバが試験用のプライベートIPアドレスを応答するといった使い方もある。開発中の一時的な措置で、公開後には同じドメイン名やホスト名でインターネット上の公開サーバへアクセスすることになる。
プライベートDNSキャッシュサーバ
インターネット上のドメイン名を名前解決する際に、接続事業者などの用意した外部のDNSキャッシュサーバにアクセスするのではなく、独自に立ち上げたキャッシュサーバに問い合わせるよう構成する場合もある。
外部のサーバへ問い合わせを行うと、どのドメインやホストにアクセスしているのかといった情報が筒抜けになってしまうため、DNSの問い合わせに関する情報を外部に知られてくない場合に用いられる。このような利用形態はあまり多くなく、単にプライベートDNSサーバという場合は独自のコンテンツサーバを指すことが多い。