DNSブロッキング 【DNS blocking】
DNS(Domain Name System)はIPアドレスとドメイン名(ホスト名)を対応付けるシステムで、利用者は所属先(ISPなど)のDNSキャッシュサーバ(フルサービスリゾルバ)にドメイン名を問い合わせ、キャッシュサーバが当該ドメインを管理するサーバ(権威DNSサーバ)に照会する仕組みになっている。
DNSブロッキングはDNSキャッシュサーバの管理者が何らかの理由により特定のドメインへの問い合わせを拒否することで、そのキャッシュサーバを利用するコンピュータはブロックされたドメインに所属するサーバなどのIPアドレスを取得することができなくなり、通常の方法では接続が困難になる。
ただし、利用者がそのドメインをブロックしていないキャッシュサーバ(インターネット上で誰でも利用できるパブリックDNSサービスなど)を利用すれば通常通り照会できるほか、当該ドメインとの通信自体が遮断されているわけではないため、IPアドレスを直接指定するなどの方法で通信が可能な場合がある。
企業などの管理者がDNSブロッキングを設定する場合、コンピュータウイルスの配布やフィッシング詐欺など危険なサイトに従業員がアクセスしないようにするセキュリティ上の理由や、娯楽など業務に不要なサービスをこっそり利用するのを阻止するために行われることがある。
国家の政策としてISPなどにDNSブロッキングを要請する場合もあり、インターネット利用者をセキュリティ上の脅威から保護するためや、著作権侵害サイトや違法なサービスへのアクセスを断つため、政府や政権に都合の悪い情報の流通を阻止するためなどの理由で行われる。
(2022.6.12更新)