ハイフン 【-】 hyphen

概要

ハイフン(-)とは、記号文字の一つで、短い横棒「-」のこと。単語の連結や分割を示す欧文の約物の一つだが、コンピュータ上の文字としては算術の減算を表すマイナス記号と統合されており、いずれの用途でも用いられる。

欧米の言語では、“anti-aliasing” のように複数の単語を一語に連結する際に連結部分をハイフンで繋ぐ。また、行末に長い単語が来て収まりが悪いときに、二分割して前半の末尾にハイフンを置き、後半を次行の行頭に回す「ハイフネーション」(hyphenation)処理がわれる。例えば、行末の “hyphenation” が長すぎる場合に “hyphen-” で改行して次行を “ation” で始める。

また、日常の様々な場面で、区切りや連結を意味する記号として用いられる。例えば、電話番号(01-2345-6789)や郵便番号(100-0001)、日付(1999-12-31)、スポーツなどの競技の得点(12-3)、商品の型番などのコード(PC-486SR)などである。ダッシュや罫線の代用、箇条書きの行頭文字などの用例もある。

日本語では外国の人名や地名などの固有名詞をカタカナに音写する際に、「ジョン・フォン=ノイマン」のように一部の単語の区切りを「=」で繋ぐことがあるが、これはダブルハイフン(二重ハイフン)と呼ばれる約物である。専用の文字(UnicodeのU+30A0、U+2E40など)もあるが通常は等号イコール記号)で代用する。

マイナス記号としては「1-1=0」のように算術の減算を表し、数学における数以外の減法に似た演算の記号や、単体で「-1」のように負の数を表す符号、「-x」のように符号を反転する演算(-1を乗算する)などとして用いられる。物理学や化学では電気の負の電荷、負極などを表すこともある。

文字コード上の扱い

文字コード標準のASCIIでは45番(16進数で2D)が割り当てられ、標準的な配列キーボードでは文字領域の最上段右寄りにある「= - ほ」と書かれたキーか、テンキーの「-」キー打鍵することで入力できる。

この記号はタイプライターの時代からあり、文字コード標準のASCIIに収録され広まったが、当初は横棒という形状しか決まっておらず、何の記号なのかは特に定められていなかった。文字コードを各国語に拡張するにあたってこれがどの記号なのか確定させることを迫られ、ハイフンとマイナス記号を兼ねた「ハイフンマイナス」(hyphen-minus)であるとされた。

国際的な文字コード標準のUnicodeでは、ASCIIに由来するハイフンマイナスがU+002Dに登録されているほか、ハイフン(U+2010)とマイナス(U+2212)がそれぞれ個別に定義されている。フォント上は、ハイフンとハイフンマイナスがほぼ同形状で、マイナスはこれより長い横棒とすることが多い。

日本語文字コードに由来する「全角ハイフン」(U+FF0D)、単語中のハイフネーション可能位置を示す制御文字実体を持たない)である「ソフトハイフン」(U+00AD)、前後の改行を禁止する「ノンブレーキングハイフン」(U+2011)などのバリエーションもある。

(2023.10.31更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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