ギュメ 【guillemet】 ≪≫

概要

ギュメ(guillemet)とは、尖った山型の括弧の形をした記号文字 ≪ ≫ のこと。フランス語やスペイン語、イタリア語などで引用符として用いられる。

中世フランスの活版印刷で使われ始めた記号とされ、ギュメという名称はフランス人の印刷職人ギヨーム・ル・ベ(Guillaume Le Bé)に由来するとされる。≪ ≫ の中にさらに発言や引用を含める場合は一重の ‹ › を用いる。

主にラテン系諸語や中東欧・キリル文字圏、北欧、南欧、中東などで引用符として用いられる。フランス語などでは ≪ 発言内容 ≫ のように山の先端を外向きに括るが、デンマーク語などでは ≫ 発言内容 ≪ のように先端を内向きに括る。

日本語や英語ではほとんど使われないが、表題などに山括弧 《 》の代わりに用いたり、リストや箇条書きの行頭文字、Webページのパンくずリストの区切り文字などとして用いられることがある。ギュメが必要だが入力・表示できない環境では不等号 < > などで代用する。

コンピュータ上の文字としては、欧米で標準的なASCIIコードには収録されておらず英語環境では使われない。ASCIIを拡張したISO 8859では、ギュメを用いる欧州の言語向けの仕様に、開き括弧「«」が171番、閉じ括弧「»」が187番としてASCII拡張領域に収録されている。国際的な文字コード標準のUnicodeでも同じ番号で収録されている。

(2025.8.28更新)

主な記号文字

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