ナンバーサイン 【#】 number sign / 番号記号 / シャープ / 井桁

概要

ナンバーサイン(#)とは、記号文字の一つで、漢字の「井」のような形をした記号「#」のこと。形の似た音楽記号のシャープ(♯)とよく混同あるいは同一視される。日本語で「井桁」(いげた)と呼ばれることもある。

文字コード標準のASCIIでは35番(16進数23)が割り当てられ、標準的な配列キーボードでは文字領域の左上にある「# ぁ 3 あ」と書かれたキーShiftキーを押しながら打鍵することで入力できる。

欧米では「#9」のように数字の先頭に付け、「~番目」「第~」のような順序を表す数字(序数)を表す記号としてよく用いられる。プッシュ(押しボタン)の電話機には右下(0の右)に「#」のボタンが配され、自動応答システムへの入力などでよく用いられた。

米国では重さの単位であるポンド(pound)を意味する記号としても用いられる。イギリスなどでは “hash” (ハッシュ)とも呼ばれ、SNSで#から始まる標識を「ハッシュタグ」と呼ぶのはこれに由来する。

コンピュータ言語などでも様々な用途で用いられる。C言語C++言語などでは、ソースコード中で「#」で始まるプリプロセッサへの命令を表し、コンパイラには渡されない。HTMLCSSなどでは「」や「#FFFFFF」のように16進数は先頭を「#」で始める。

UNIX系OSシェルスクリプトでは「#」から行末までは解釈・実行されないコメントとして扱われるため、Pythonなどのスクリプト言語でもコメント開始を意味する。転じて、電子メール電子掲示板BBS)、SNSなどへの書き込みで「#」以降は周囲や相手への発言ではない独り言(心内語)とする場合がある。

よく似た記号に、音楽の楽譜(五線譜)で半音上げることを意味する「♯」(シャープ)があるが、ナンバーサインは横棒が水平で縦棒が斜め、シャープは縦棒が垂直で横棒が斜めという違いがあり、本来は形も意味も異なる別の記号である。ただ、日常的にはナンバーサイン、番号記号といった名称は定着しておらず、「#」を指して慣用的にシャープと呼ぶことが多い。

(2022.9.3更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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