段落記号 【¶】 paragraph mark / pilcrow / 段落標 / 改段記号

概要

段落記号(¶)とは、記号文字の一つで、小文字の「q」に似た丸い旗のような形の記号「¶」のこと。文章中で段落の区切りを表す記号として用いられる。

欧米の文書に用いられる約物に由来する記号で、意味的に繋がりのある一連の文のまとまりである段落(パラグラフ)の区切りを示す。現代の文章では、行末で改行して余白を開けると段落の区切りとなるが、そのような習慣がない時代には行末に段落記号を置いて段落の区切りとしていた。

「¶」という形から段落を意味する英語 “paragraph” の「P」に由来すると思われがちだが、古文書などでは現代のセント記号「¢」のような形で書かれており、ラテン語で「章」を意味する “capitulumカピトゥルム”の「C」にスラッシュ「/」を組み合わせたものが起源と考えられている。丸い部分を塗りつぶす字形と塗りつぶさない字形の両方が見られる。

日本語の文字コードにはJIS X 0208などに収録されており、以前からよく利用されている。欧米の文字コードではASCII標準には無いが、これを拡張した8ビットISO 8859ではいくつかの言語向けで182番(16進数B6)として収録されており、欧文でも以前から一般的に利用されている。UnicodeではU+00B6に収録されている。

なお、現代では行頭の改行空行)で段落の区切りを表すことから、一部の文書編集ソフトなどでは改行記号「↵」を段落記号、下向きの矢印「↓」を改行記号と呼ぶことがある。また、節の区切りを表す節記号セクションマーク)「§」のことを段落記号と呼ぶ用例も見られる。

(2023.8.5更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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