スラッシュ 【/】 slash
概要
スラッシュ(/)とは、欧文の文中で文字と並べて使用する記号(約物)の一つで、右上から左下への斜め線「/」のこと。分数の分母と分子の区切り、日付の年月日の区切りなどとして使われることが多い。欧文の文章中で用いる場合、“and/or” や “He/She” のように複数の要素を並列に列挙して「または」あるいは「かつ」で結びつける役割を果たすことが多い。“framework” を “F/W” とするように省略を表したり、詩などの韻文では(終止符などを使わないため)改行の代わりに文の区切りを表す場合もある。
日付を表記する際に「1970/1/1」のように年、月、日の数字を区切る記号としてもよく用いられる。年と月、日の並び順は国や言語で大きく異なる。欧米では分数を文中に記述する際に二分の一を「1/2」とするようにスラッシュを区切り記号として「分子/分母」と表記することがある。
IT分野での用例
IT分野では、スラッシュはASCIIコードで47番(16進数で2F)が割り当てられ、日本語文字コードおよびUnicodeでも同じ番号が割り当てられている。標準的な配列のキーボードでは文字領域の右下にある「? / ・ め」と書かれたキーを打鍵することで入力できる。テンキーの上端にも配置されている。
プログラミング言語などでは欧米の分数表記にならい、ASCII文字に存在しない「÷」に代わって割り算の演算子(除算記号)として用いられることが多い。C言語の記法を受け継ぐ言語の多くは、ソースコード中で「/*」と「*/」で挟まれた部分や「//」から行末までをコメントとして無視する。
また、古いUNIXコマンドなどが「/」で囲まれた文字列を正規表現として扱ったことから、現代のプログラミング言語の多くも「/sl.+sh/g」のように正規表現リテラルの開始と終了を「/」で表す記法を採用している。
UNIX系OSなどではファイルやディレクトリの所在(パス)を表記する際にディレクトリの区切り記号として用いられる。例えば「/usr/tmp/hoge.txt」というパス表記はルートディレクトリの「usr」ディレクトリにある「tmp」ディレクトリにある「hoge.txt」ファイルを指し示す。
URLなどのパス表記も「/」を区切りとするが、歴史的にWindowsは左右が逆のバックスラッシュ「\」をパスの区切り文字としている。なお、半角バックスラッシュは日本語環境では文字コードの同じ番号に半角円マークが割り当てられているため、円記号に置き換えられて表示される。