全角チルダ 【fullwidth tilde】
全角文字は歴史的に日本語の文字コード体系に由来する文字種で、等幅フォントで表示・印刷した際に幅と高さが等しい正方形の領域に収まる形の文字である。ひらがなやカタカナ、漢字のほか、欧米の文字コードに由来する半角文字の全角版や独自の記号文字などが含まれる。
全角チルダは、ASCIIコードなどに収録され半角文字として広く利用されていたチルダ記号「~」の全角版として、JIS X 0208などの日本の文字コード規格に収録された。半角チルダは波線を領域の上端に寄せて表記するフォントやシステムが多いが、全角チルダは中心に表記される。
波ダッシュ・全角チルダ問題
日本語の文字コードにはこれとは別に、日本語の約物に由来する波線(波ダッシュ)が収録された。国際的な文字コード標準のUnicodeでは、全角チルダが「U+FF5E」(FULLWIDTH TILDE)、波ダッシュが「U+301C」(WAVE DASH)として収録された。
しかし、Unicode 7.0以前の波ダッシュの字形は、膨らみの向きが本来とは逆の「左が下、右が上」の形が誤って記載されていた。これはUnicode 8.0で修正されたが、Windows XP標準フォントなどでは誤った字形が実際に実装されて使われることになった。
また、日本語文字コードの符号化方式の標準である「Shift JIS」を米マイクロソフト(Microsoft)社が独自に実装した「CP932」では、Shift JISで波ダッシュを表す「8160」(16進数表記)が、Unicodeの全角チルダ「U+FF5E」に対応付けられている。Windows以外の環境との間の文字データの交換で文字化けなどの原因となっている。
(2023.12.26更新)