ラインフィード 【LF】 Line Feed / ニューライン / NL / New Line / 改行
概要
ラインフィード(LF)とは、ASCII文字コード体系に定められた制御コードの一つで、文字の入出力位置の改行(次行の同じ位置への移動)を意味するもの。コードは十進数で10番、16進数で0Aである。正規表現やC言語の記法を踏襲するプログラミング言語では円マークあるいはバックスラッシュを用いて「¥n」「\n」と表記する。もとはテレタイプ端末やシリアルプリンタなどの機器を制御するコードで、現在の文字の印字位置を指し示すカーソルやヘッドを一行分下に移動する動作を表していた。現代での「改行」動作とは異なり、行頭への水平方向の移動はしない。
一方、現在位置を同じ行の先頭に戻す動作を表すコードとして、「CR」(Carriage Return/キャリッジリターン/行頭復帰)が用いられ、ASCIIコードでは十進数で13番、16進数で0Dが割り当てられた。文末などで次行の先頭に移動したい場合はCRとLFを続けて送信する必要があった。
時代が下り、コンピュータやディスプレイ装置が普及すると、改行と行頭復帰は一体的な動作とするのが一般的となり、CRとLFが別に存在する意義は薄れたが、今度はコンピュータ上の改行動作をCRで表すか、LFで表すか、CRとLFを続けて記すか(CRLF)が問題となった。
このような歴史的背景から、システムによって標準の改行コードは異なっており、MS-DOSやWindowsなどでは「CRLF」(0D+0A)を、かつてのMac OSなどでは「CR」を、UNIX系OSや現行のmacOS(Mac OS X)などでは「LF」をそれぞれ標準とする。テキストエディタなどはこのいずれも対しても同じよう対応するものが多い。
(2024.1.15更新)