パンタグラフキーボード【pantograph keyboard】シザースイッチキーボード/scissor-switch keyboard

パンタグラフキーボードとは?

キーボードの構造の一種で、各キーの下にX字状に交差した部品を組み込み、その伸縮機構によってキーを支える方式。キーの中心以外を押しても力が均等に伝わり、軽い力で安定した入力ができる。主にノートパソコンなど薄型の機器で採用されている。
パンタグラフキーボードのイメージ画像

キーキャップの裏側に交差した2本のアームが配置されており、キーを押すとこの部分が折れるように沈み込み、力を抜くとバネの働きで元の高さに戻る。キーの四隅など中心から外れた位置に荷重がかかった場合でも、キートップが傾かずほぼ垂直に沈み込むため、確実に入力を認識させることができる。

電車の屋根にある集電装置のパンタグラフに似た構造であることからこのように呼ばれる。英語ではクロスした棒状の部材をハサミ(scissors)に見立てて「シザースイッチキーボード」(scissor-switch keyboard)と呼ぶ。

スイッチ部分には、導電性のシートと絶縁シートを重ねたメンブレン方式が用いられることが多く、「メンブレンキーボード」の一種として扱われる場合もある。一般的なメンブレンキーボードに比べてキーのぐらつきが少なく、機械式(メカニカル方式)との中間的な方式に位置付けられることもある。

キーストロークが浅いため、薄型のキーボードを設計しやすく、本体の厚みを抑えることが求められるノートパソコンタブレット端末の外付けキーボードに多く用いられている。少ない力で軽快にタイピングでき、部品の可動範囲が小さいことから打鍵音も比較的抑えられる。オフィス環境など周囲への騒音が懸念される場所での使用にも適している。一方、肉厚なデスクトップ向けキーボードに比べるとクリック感や反発力が弱く、底打ち感が硬くなりやすい傾向がある。

独特の浅い沈み込みや軽快な打鍵感を好む利用者も多く、デスクトップパソコン向けに販売される単体のキーボード製品にもパンタグラフ方式を採用したものが存在する。省スペース性や静音性を重視する利用者に選ばれることもあり、近年ではノートパソコンの普及拡大に伴って、デスクトップ環境でも同様のタッチ感を求める動きが見られる。キーストロークの深さやキーピッチ(キー間の距離)は製品によって異なり、薄型でも打ちやすさを重視した設計のものも増えている。

(2026.6.23更新)

他の辞典等による「パンタグラフキーボード」の解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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