ソフトハイフン 【soft hyphen】 discretionary hyphen / SHY

概要

ソフトハイフン(soft hyphen)とは、コンピュータ上で用いられる制御文字の一種で、単語途中での改行(ハイフネーション)を許可する位置を指示するもの。通常は表示されないが、語の途中で改行が行われると行末にハイフン(-)として表示される。「SHY」の略号で示されることもある。

解説 欧米の多くの言語では、文章中の改行は単語と単語の間で行われ、原則として単語途中で改行することはできない。ただし、どうしても単語の途中で改行したい場合には、単語ごとに決まった位置で改行し、行末にハイフンを付ける「ハイフネーション」(hyphenation)というルールがある。

ソフトハイフンはハイフネーションをコンピュータ上で自動処理するために用意された制御文字で、「hy[SHY]phen[SHY]ation」(便宜上ソフトハイフンを[SHY]と表記している)のように単語中に記述する。通常は何も表示されないが、単語中で行末に差し掛かると「hyphen-」のようにハイフンを残して改行し、次行は「ation」から始まる。

文字コード標準のASCIIには用意されていないが、主に欧州で一般的なASCIIの8ビット拡張であるISO 8859では、多くの言語向けで173番(16進数AD)がソフトハイフンに割り当てられており、古くから一般的に用いられている。国際的な文字コード標準のUnicodeでもそのままU+00ADとして収録されており現在でも欧文で用いられる。

なお、文書編集ソフトなどの中には、単語辞書を搭載して基本的な語彙については自動的にハイフネーション処理を行えるようになっていることが多い。そのような機能のないソフトウェアを利用する場合や、造語・新語など辞書を頼りにできない単語では、ソフトハイフンを明示的に指定することでハイフネーションが行われるようになる。

(2025.8.28更新)

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