アンパサンド 【&】 ampersand / アンドマーク

概要

アンパサンド(&)とは、欧文で用いられる特殊な記号の一つで「~と」という要素の並立を表すもの。ラテン語の “et” の合字に由来し、英語では “and” の代替として、他の欧語でも「~と」を表す接続詞(ドイツ語の “und” など)の代替として用いられる。

筆記体の大文字「E」(ギリシャ語のイプシロン ε のような丸い字形)に小文字の「t」を合字リガチャ)して一つの文字に繋げたもので、古代ローマ時代のラテン語で使われていたものが欧州諸語に広まったとされる。

英語の “ampersand” という名称は “and per se and” が短縮したものが由来とされる。“per su” はラテン語で「それ自体」(英語の itself に相当)を意味し、「文字の “&” はそれ自体が “and” という単語である」という内容を表している。

IT分野では文字コード標準のASCIIで38番(16進数で26)が「&」に割り当てられており、古くから様々な用途で一般的に用いられてきた。標準的な配列キーボードでは最上段の「5」キーShiftキーを押しながら打鍵すると入力できる。

HTMLXMLでは、ソースコード中で&が現れるとセミコロン(;)で終端するまで文字参照文字実体参照数値文字参照)であるとみなされる。例えば、ソースコードに「"」と記載すると「"」に、「あ」と記載すると「あ」に置き換えて表示される。アンパサンド自体は「&」と記述する。

プログラミング言語などの多くでは、“and” の本来の意味に基いて、条件式ビット演算論理積AND演算)にこの記号を用いる。C言語ビット論理積ビットAND)を「&」、論理式のANDを「&&」として使い分けており、JavaJavaScriptなどC風の記法を受け継ぐ言語にもこの使い分けが引き継がれている。

C言語ではアドレス演算子としても用いられ、変数名関数名の先頭に&を付けることでその要素が置かれているメモリ上のアドレスポインタ)を取り出すことができる。PHPの参照渡しなど、他の言語でも似た用途で&を用いることがある。

(2022.5.12更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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