全角文字 【fullwidth characters】
概要
全角文字(fullwidth characters)とは、コンピュータが扱う文字の分類の一つで、(等幅フォントで表示・印刷した際に)幅と高さが等しい正方形の領域に収まる形の文字のこと。漢字やひらがなが該当し、幅が高さの半分の「半角文字」と対比される。「漢」「あ」「ア」「。」など、正方形の枠に収まるようデザインされた文字群を指す。一方、「A」「a」「1」「.」など、全角文字の半分の縦長の長方形に収まるデザインの文字は半角文字と呼ばれ、欧米で一般的に用いられるアルファベットやアラビア数字、記号文字などが含まれる。
全角文字は歴史的に日本語の文字コード体系(JIS漢字コードなど)に由来する文字種で、日本語の表記に用いられる文字の他にも、「Ω」「Д」などのギリシャ文字やキリル文字、「◇」「※」など、半角文字には含まれない独自の記号文字、「┬」などの罫線が含まれる。
また、「A」と「A」、「1」と「1」、「$」と「$」のように、半角英数字・記号の各文字には対応する全角文字が用意されている。逆に、日本語文字のほとんどには半角文字は無いが、カタカナと句読点だけは初期の日本語文字コードに半角文字が収録されたことから「ア」と「ア」、「。」と「。」のように全角と半角の両方がある。
現在のようにグラフィック表示が一般的になる前のコンピュータの文字表示機能では、すべての文字が同じ大きさの四角形に収まる形状の等幅フォントしかなかったため、正方形に収まる文字を全角、全角の半分の幅の長方形に収まる文字を半角と呼ぶようになった。現代では文字ごとに幅が異なるプロポーショナルフォントが一般的であるため、実態にそぐわない分類となっている。
国際的な文字コード標準のUnicodeにも日本語文字コードに由来する全角文字の大半がそのまま収録されており、半角文字の全角版はその名の通り「FULLWIDTH ~」の名称で、半角カタカナは「HALFWIDTH KATAKANA LETTER ~」の名称で収録されている。
(2023.12.8更新)