エンダッシュ 【en dash】 enダッシュ

概要

エンダッシュ(en dash)とは、記号文字の一種で、短め横棒「–」のこと。欧米の約物に由来する記号で、小文字の「n」(en)の幅に等しいためこのように呼ばれる。

文中で使われる横棒型の記号である「ダッシュ」(dash)の一種で、欧文で区間や範囲、単語の併置などを表すことが多い。例えば、「2020年から2022年まで」を “2020–2022”と書いたり、「シャノン=ハートレーの定理」を “Shannon–Hartley theorem”と書いたり、「ロンドン・パリ間」を “London–Paris” のように書く。

一方、長い横棒の「—」は小文字の「m」と同じ幅に書くことから「エムダッシュ」(em dash/emダッシュ)という。こちらは文章中で時間の経過や注釈、副題、引用、後略などを表すために用いられる。日本語ではエンダッシュもエムダッシュも波ダッシュ「~」で置き換えることができる。

コンピュータ上の文字としては、欧米で標準的なASCIIには専用の文字が用意されていなかったため、ハイフンとマイナスを兼ねるハイフンマイナス「-」で代用することが多かった。国際的な文字コード標準のUnicodeでは U+2013 に収録されたが、ハイフンマイナスよりわずかに長い程度で見た目ではほとんど区別がつかない。HTMLでは文字実体参照の「–」で呼び出すことができる。

(2023.11.16更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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