チルダ 【~】 tilde / ティルダ / チルデ / ティルデ
概要
チルダ(~)とは、波状の小さな線の記号文字「~」のこと。スペイン語やポルトガル語、ベトナム語などでは「ñ」のように一部のアルファベットの上に付して特殊な発音を指示する記号(ダイアクリティカルマーク)として使われる。解説 チルダそのものは発音記号などとして文字の上に付けるが、コンピュータ上の文字として用意されている単体のチルダは、数学などで漸近( ≃ または ≈ )や相似(∽)を表す記号に形が似ているため、これらの代用として用いられることがある。
コンピュータ上の文字としては、ASCII文字コードで126番(16進数で7E)が割り当てられている。フォントやシステムの違いにより、文字の上に置くのと同じように上端に寄せて描かれる場合と、中央の高さに描かれる場合がある。いずれも文字コード上では同一の文字である。
標準的なキー配列のキーボードでは「‾ ^ へ」をShiftキーと同時押しすることで入力することができる。キートップの刻印はチルダではなくオーバーライン「‾」だが、これは初期のISO/IEC 646標準で126番にチルダではなくオーバーラインが記載されていたことに由来する。
コンピュータではUNIX系OSでホームディレクトリを表す記号として用いられたり、C言語系のプログラミング言語でビット演算の論理否定(NOT)を表す単項演算子として用いられたりしている。正規表現でマッチングを「=~」、その否定を「!~」と記述する言語や処理系もある。
国際的な文字コード標準のUnicodeでは、日本語文字コードに由来する、いわゆる全角文字のチルダ「~」(65374番/U+FF5E)も収録されているが、範囲などを表す波線記号「~」(波ダッシュ/wave dash、12316番/U+301C)とほとんど同じ字形で紛らわしく、コード間の変換などの際に起きる誤り、取り違えが問題となっている。もともと全角波線の無い欧米では、中段に描かれることを前提に波線記号の代用としてチルダを用いることもある。
(2025.8.27更新)