バッククォート 【back quote】 / backtick / アクサングラーブ / accent grave / グレーブアクセント / grave accent

概要

バッククォート(back quote)とは、記号文字の一つで、上端に右下がりの短い線を置いた「`」のこと。元来はアクセント記号のアクサングラーブ(グレーブアクセント)だが、開き引用符の代用とすることが多いためバッククォートと呼ばれる。

フランス語などで「à」のように文字に付加する発音記号(ダイアクリティカルマーク)の一つだが、形が似ていることから慣用的に一重引用符シングルクォーテーション)の開き記号として用いられ、「バッククォート」という名称の方が定着した。

コンピュータ上の文字としては、欧米の標準的な文字コードASCIIでは96番(16進数で60)が割り当てられた。標準的な配列のキーボードでは文字領域の右上にある「`@ ゛」と書かれたキーをShiftキーと同時押しすると入力できる。

ASCIIには一重引用符がなかったため、「`」を開き引用符アポストロフィ「'」を閉じ引用符として代用することがあった。同じように、二重引用符ダブルクォーテーション)の代用として「``」と「''」を用いることもあった。

プログラミング言語などでも、クォーテーションマークの代用としての働きをすることがある。例えば、シェルスクリプトやPerlなどでは「`」で囲った文字列をコマンドとして解釈し、実行結果で置き換える。Markdownなどでは文中にプログラムコードを記述する際にバッククォートで囲む。

(2025.8.19更新)

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