ユーロ記号 【euro sign】 €
概要
ユーロ記号(euro sign)とは、ヨーロッパの複数の国で通用する通貨ユーロ(euro)を表す通貨記号「€」のこと。アルファベットの「E」を象った記号で、大文字の「C」に横棒2本を重ねたようなデザインとなっているユーロ導入に伴い1996年に欧州委員会によって制定された記号で、価格の表記などで「€10」「€1.5」のように用いる。通貨記号を数字の前に置くか後に置くかは国によって異なり、「10€」としたり、小数点の代わりに「1€5」(1ユーロ50ユーロセントの意)と表記することもある。
コンピュータ上の文字としては、初期の主要な文字コード規格が策定されたのが1970~80年代であるため、ユーロ記号の策定当初は使用することができなかった。西ヨーロッパ等で一般的なISO/IEC 8859-1が1999年にISO/IEC 8859-15として改訂されるにあたり、国際通貨記号「¤」が登録されていた164番(16進数A4)がユーロ記号に差し替えられ、以降に更新されたシステムで順次使用できるようになった。
日本語の文字コードでは2000年のJIS X 0213に収録され、いわゆる全角記号の一つとして使用できるようになった。国際的な文字コード標準のUnicodeでは U+20AC (EURO SIGN)として収録され、Unicode対応システムでは標準的に利用できるようになっている。
なお、日本語コード由来の全角記号と欧米コード由来の半角記号がそれぞれ別の文字として収録されているドル記号($)やセント記号(¢)などとは異なり、Unicodeには全角文字のユーロ記号は収録されなかったため、文字コード変換などを行うと欧米コード由来の半角文字に置き換えられることになる。
(2024.6.1更新)