ドルマーク 【$】 dollar sign / ドル記号
主に通貨名称(の英訳)に「ドル」(dollar)が含まれる国で通貨記号として用いられるが、スペイン語圏では「ペソ」(peso)を表す記号であり、「ペソ記号」(peso sign)とも呼ばれる。通貨名がドルやペソでなくても用いることがある。どの通貨か明示したい場合はカナダドル「CA$」や香港ドル「HK$」のように、英略語などと組み合わせることがある。
縦棒が1本の場合、2本の場合、縦棒が「S」を貫通せず上下にのみ配されている場合など、デザイン上の僅かな違いが見られることがあるが、どれも同じ記号を表しており意味上の違いはない。旧ポルトガル・エスクード(ユーロ統合で廃止)やブラジル・レアルのように、国や時代によっては縦棒を2本と明確に規定している場合もある。
コンピュータ上のドル記号
コンピュータ上の文字としては、文字コード標準のASCIIで36番(16進数で24)が割り当てられ、標準的な配列のキーボードでは文字領域の左上にある「$ ぅ 4 う」と書かれたキーをShiftキーを押しながら打鍵すると入力できる。国際的な文字コード標準のUnicodeでは、日本語文字コードに由来する全角文字の「$」(65284番/U+FF04)も収録されている。
ASCII文字コードに唯一収録された通貨記号で、文章などでは本来の通貨記号の意味で用いられるほか、プログラミング言語などで特別な意味を表す記号として用いられることがある。例えば、Perlでは「$x = 1;」といった具合に「$」から始まるシンボル名はスカラー変数を表す。Microsoft Excelなどの表計算ソフトでは「$A$1」のように絶対セル参照を表す記号として用いられる。
(2025.8.27更新)