キャレット【^】caret

原義の脱字符号は、紙の原稿を編集する際に欠けている文字やフレーズの挿入を指示するために用いられる小さな山型の記号のことで、コンピュータ上では、文字データの編集画面などで現在の入力位置を示す小さな絵記号をキャレットという。
その位置に文字を挿入する(後続の文字がある場合はその分後退させる)ことを意味し、点滅する縦棒で表す方式が広く普及しているが、システムによっては紙面の場合と同じように小さな山型で表す方式などもある。
形が似ていることからコンピュータ上の記号「^」のことをキャレットと呼ぶことがある。ASCII文字コードでは94番(16進数で5E)が割り当てられた記号文字で、初期のASCII規格では上矢印「↑」が割り当てられていたが、発音記号のサーカムフレックス(アクサンシルコンフレックス)に差し替えられた。
ASCIIコードの制御文字を表す際に、0番のNUL文字を64番の「@」を用いて「^@」と記すなど、64を加算したコードに対応する文字に「^」を付けて表記する方式を「キャレット記法」(caret notation)という。
(2022.3.15更新)