半角バックスラッシュ 【halfwidth backslash】

概要

半角バックスラッシュ(halfwidth backslash)とは、半角文字の記号の一つで、スラッシュ「/」の傾きを逆(左が上)にしたマーク。文字コードにおける識別番号が日本語環境の半角円マークと同一となっており、日本語環境では特殊な方法を使わなければ表示・入力できない。

半角文字等幅フォントで表示した際に幅が高さの半分の長方形の枠に収まるように表示される文字種で、歴史的には欧米のASCII文字コード標準とその派生仕様に由来するもの(英数字・記号)と、日本で独自にASCII拡張としてカタカナを定義した「半角カナ」がある。

半角バックスラッシュはASCIIで規定されている記号文字の一つで、92番(16進数で5C)が割り当てられている。欧米のASCII拡張規格(ISO/IEC 8859系など)でも同様だが、ASCII国際化したISO/IEC 646規格では一部の番号を国ごとに別の文字に割り当てても良いことになっており、日本のJIS X 0201規格では92番が半角円マーク(「¥」の半角文字)となっている。

これにより、日本語環境では文字コード「5C」の文字を入力・表示すると円マークとなるが、同じコードを日本語以外の環境バックスラッシュとして取り扱う。どちらとみなすかはシステムフォントによって自動的に決まってしまい、利用者側でどちらにするかを指定する方法は用意されていない。

半角バックスラッシュはWindowsファイルフォルダの所在を記述するパス文字列区切り文字としてよく知られており、日本語版以外では「C:\WindowsSystem32cmd.txt」のような表記になるが、日本語版ではシステム上は同じ文字のまま「C:¥WindowsSystem32cmd.txt」のような表記になる(ここでは便宜上全角文字で表しているが本来はどちらも半角文字)。

(2023.12.26更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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