サーカムフレックス 【^】 circumflex / アクサンシルコンフレックス / accent circonflexe / ハット
文字コード標準のASCIIでは94番(16進数で5E)が割り当てられ、標準的な配列のキーボードでは文字領域の右上にある「- ^ へ」と書かれたキーで入力できる。フランス語などで「â」のように文字に付加する発音記号(ダイアクリティカルマーク)が由来となっている。
紙の原稿を編集する際に欠落した文字やフレーズの挿入を指示する山型の記号を「キャレット」(caret)というが、形がほとんど同じことからサーカムフレックスのことを一般的にはキャレットと呼ぶことが多い。帽子を意味するハット記号(hat symbol)という呼称も用いられる。
単体のサーカムフレックスは約物などに由来する記号ではないためコンピュータ上で文書を書く際にはあまり用いられず、強調したい文字の下の行の同じ位置に「^^^^」のように並べて波線のように用いたり(等幅フォントでなければ位置がずれるため近年ではあまり見られない)、日本では (^_^:) のように顔文字の一部(笑った目)として用いることがある。
プログラミングなどでは、BASIC系の言語がべき乗を表す演算子(x^2でx2を表す)として用いたり、C言語などがビット演算のXOR(排他的論理和)を表す演算子として用いる例がよく知られる。ASCIIコードの制御文字を表す際に、0番のNUL文字を64番の「@」を用いて「^@」と記すなど、64を加算したコードに対応する文字に「^」を付けて表記する方式を「キャレット記法」(caret notation)という。
(2022.3.15更新)