読み方:プライムきごう
プライム記号 【′】 prime symbol / ダッシュ / dash
「」や「」のように文字や数字の右上に付して特定の意味を追加する記号である。角度や時間で「分」を表す単位記号としての用法がよく知られ、「東経139度45分」を「139°45′E」のように表記したり、「1時間14分」を「1h14′」のように表記する。米国などでは長さのフィートを表すこともある。
数学では、ある対象に類似したものや派生したものなどを表すのに、元の対象の右肩にプライム記号を付けることが多い。例えば、図形 を変換したものを としたり、関数 の導関数(1階微分)を と表記したり、補集合や余事象を表すことがある。
なお、「′」を2つ並べた「″」を「ダブルプライム」(double prime)あるいは「ツーダッシュ」(two dash)、3つ並べた「‴」を「トリプルプライム」(triple prime)あるいは「スリーダッシュ」(three dash)という。秒などプライムより小さな単位、数学における2つ目や3つ目の類似対象、2階微分や3階微分などを表すのに用いられる。
コンピュータ上の文字としては、欧米で標準的な文字コードのASCIIに収録されておらず、アポストロフィ(')で代用する慣習がある。国際的な文字コード標準のUnicodeでは「′」が8242番(U+2032)、「″」が8243番(U+2033)、「‴」が8244番(U+2034)、4連の「⁗」が8279番(U+2057)として収録されており、一般的に使用できるようになっている。
(2025.8.19更新)