読み方 : かいぎょうきごう
改行記号 【return symbol】 リターン記号
解説 キーボードのEnterキーのキー上面(キートップ)に刻印された記号が由来で、もとはタイプライターで打鍵位置を(同じ行の)行頭に戻す「行頭復帰」(Carriage Return:キャリッジリターン)を表していた。コンピュータではEnterキーが当初「Returnキー」だったため「リターン記号」とも呼ばれる。
コンピュータ上の改行コード
タイプライターでは打鍵位置を次行(の同じ桁)に送る「改行」(Line Feed:ラインフィード)と行頭復帰は別の動作で、2つを連続して行うことにより「次行の行頭に移動」が完了したが、コンピュータでは2つの動作を合わせたものが改行と認識されるようになった。
ASCII文字コードの制御文字にも両者が分かれていた名残りで、改行(LF)は10番、行頭復帰(CR)は13番と分かれている。Windowsなどは標準の改行コードを「CRとLFの連続」(CR+LF)とする一方、旧Mac OSなどはCR単独、UNIX系OSなどはLF単独を標準としたため、データ交換時には相互に変換が必要な状態となった。
コンピュータ上の改行記号
改行記号は手書きの文書で使われてきた約物などに由来する記号ではなく、文字コード規格への収録は近年になってからである。日本語文字コードでは2000年のJIS X 0213で収録され、世界的にはUnicodeへの収録により利用可能になった。
Unicodeでは細い矢印「↵」が8629番(U+21B5)に「DOWNWARDS ARROW WITH CORNER LEFTWARDS」として、日本語文字コードに由来する袋文字の太い矢印「⏎」が9166番(U+23CE)に「Return Symbol」として収録されている。HTMLやXMLでは文字参照「↵」で呼び出すことができる。
(2025.8.28更新)