改行記号 【return symbol】 リターン記号
キーボードのEnterキーのキー上面(キートップ)に刻印された記号が由来で、もとはタイプライターで打鍵位置を(同じ行の)行頭に戻す「行頭復帰」(Carriage Return:キャリッジリターン)を表していた。コンピュータではEnterキーが当初「Returnキー」だったため「リターン記号」とも呼ばれる。
タイプライターでは次行に送る改行(Line Feed:ラインフィード)と行頭復帰は別の動作で、2つを連続して行うことにより「次行の行頭に移動」が完了したが、コンピュータの時代となり2つの動作を合わせたものが改行と認識されるようになった。ASCII文字コードの制御文字にも両者が分かれていた名残り(改行は10番、行頭復帰は13番)が残っている。
手書きの文書で使われてきた約物などに由来する記号ではなく、文字コード規格への収録は近年になってからである。日本語文字コードでは2000年のJIS X 0213で収録され、世界的にはUnicodeへの収録により利用可能になった。Unicodeでは細い矢印「↵」がU+2185(DOWNWARDS ARROW WITH CORNER LEFTWARDS)として、袋文字の太い矢印「⏎」がU+23CE(Return Symbol)として収録されている。
(2023.8.5更新)