MSISDN 【Mobile Station International Subscriber Directory Number】 MSN / Mobile Subscriber Number
概要
MSISDN(Mobile Station International Subscriber Directory Number)とは、携帯電話の電話番号のこと。国番号から始まる最長15桁の番号で、現代の携帯電話システムでは端末に挿入するSIMカードに紐付けられており、通話を発信する際に加入者が相手方を指定するのに用いられる。携帯電話の通話サービスにおいて通話相手を指定する際に用いられる電話番号で、携帯電話サービスの加入時にSIMカードに対応付けられる。カードを差し込んだ端末がその番号を持ち、外部からその番号にかけた通話が着信する。
カードを差し替えることで番号を端末間で移動することができるが、SIMカード自体の識別番号であるIMSI(International Mobile Subscriber Identity)とは異なり、MSISDNは別のSIMカードへ移転することもできる。これにより、契約先の通信事業者を変更する際、移転先の事業者でも同じ番号を使い続けることができる(ナンバーポータビリティ制度)。
番号の体系や割り当て制度は固定電話の電話番号と一元化されており、国際的な番号体系はITU-T(国際電気通信連合)のE.164勧告として標準化されている。国内では総務省が一定の要件を満たす移動体通信事業者に対して番号を割り当てている。
日本では長らく一般的な携帯電話サービス・移動体データ通信サービスでは「080」および「090」、PHSサービスは「070」で始まる11桁(先頭を0ではなく国番号81とした場合は12桁)の番号が使われてきたが、近年ではPHSサービスの終了により「070」も携帯電話向けに利用されるようになり、IoT無線通信端末向けに「020」番号が新設された。
「MSISDN」を何の略とするかは諸説あり、“Mobile Station International Subscriber Directory Number”、“Mobile Station Integrated Services Digital Network”、“Mobile Subscriber Integrated Services Digital Network” などの用例が見られるが、固定系デジタル公衆通信網のISDN(Integrated Services Digital Network)との直接的な関連性は無い。