3GPP 【3rd Generation Partnership Project】
概要
3GPP(3rd Generation Partnership Project)とは、第3世代(3G)以降の移動体通信システム(携帯電話網)の標準規格の仕様の検討や調整を行う各国標準化機関によるプロジェクト。1998年に日本のARIB(電波産業会)およびTTC(情報通信技術委員会)、米T1委員会(現ATIS)、欧ETSI、韓TTAなどの標準化団体・機関が参加して結成されたグループで、後に中CWTS(現CCSA)、印TSDSIも加わった。
3G携帯電話の標準規格の一つであるW-CDMAに関連する技術の仕様策定が主な目的だったが、GSMの拡張仕様(GPRSやEDGEなど)、第4世代(4G)や第5世代(5G)の移動体通信システム(LTE-Advancedなど)についても技術仕様の検討を行っている。
合意された標準仕様は「3GPP Release X」(Xは番号)という規格書として発行され、各国機関によってこれに準拠した国内標準が制定される。例えば、3GPP Release 5ではHSDPAの仕様が、Release 8ではLTEの仕様が規定されている。
3GPPの標準は機器や信号などの物理仕様から通信プロトコル、ネットワーク構造、サービス方式、セキュリティなど多岐に渡るが、日本では動画や音声を格納する3GPPファイル形式(.3gpファイル)の標準を策定した機関として馴染み深い。
3GPP2 (3rd Generation Partnership Project 2)
3GPPの派生プロジェクトで、もう一つの有力な3G標準であるCDMA2000についての技術標準の検討を行うプロジェクト。1999年に設立され、参加機関などは3GPPとほぼ同一となっている。
CDMA2000は日本ではau(KDDI/沖縄セルラー)が採用している方式で、3GPP2は関連する技術仕様の検討などを担っている。音声・動画ファイル形式も3GPPとは互換性のない独自の3GPP2ファイル形式(.3g2ファイル)を策定している。
LTE-Advanced(4G)以降は3GPP側の標準を統一規格とする方向になっており、3GPP2はその役割を終えつつある。CDMA2000を展開してきた各国の通信事業者もW-CDMA陣営と共にLTE-Advancedを展開し始めている。