アウトオブバンド管理【OOBM】Out-Of-Band Management
概要

通常のリモート管理では、業務用のネットワーク回線を通じて管理者が機器のオペレーティングシステム(OS)にアクセスし、処理を依頼する。これを「インバンド管理」(in-band management)という。この方式ではOSが起動していることが前提となるため、OSのクラッシュやネットワーク設定の誤りによって通信が途絶えた場合、外部からの操作が一切できなくなる。
一方、アウトオブバンド管理では、マザーボードに搭載された管理専用の制御チップ(BMC:Baseboard Management Controller)や、業務用とは独立したネットワークインターフェースを介して管理者が接続する。「IPMI」(Intelligent Platform Management Interface)のような標準規格と、米インテル(Intel)社の「Intel AMT」(Active Management Technology)、米デル(Dell)社の「iDRAC」(Integrated Dell Remote Access Controller)、米HPE社の「iLO」(Integrated Lights-Out)など各メーカーが独自に定めた仕様がある。
本体の電源が切れた状態でも管理機能は動作するため、電源の投入や切断、BIOS/UEFIの設定変更、OSの再インストールといった通常ならコンピュータを直接触れなければできない操作を遠隔から実行できる。ネットワーク機器やストレージ装置では、シリアルコンソール専用ポートや独立した管理ポートを設ける構成も見られる。
管理系統と運用系統が物理的または論理的に分離されているため、メインのネットワークがDDoS攻撃による輻輳やマルウェアへの感染によって遮断された状況でも、管理通信はその影響を受けない。攻撃者が業務ネットワークへ侵入した場合でも、管理系統へのアクセス経路が独立しているため、不正操作のリスクを抑えられる。導入には専用のハードウェアや追加の通信回線が必要となりコストは増すが、データセンターや遠隔地の拠点など物理的な保守が困難な環境では、システムの可用性を維持するための手段として採用される。