オープンスタンダード 【open standard】 オープン標準

概要

オープンスタンダード(open standard)とは、仕様が公開されていて誰でも実装・利用できる技術標準。これに加えて「無償で利用可能」「策定プロセスが公開されている」「プロセス利害関係者に開かれている」といった条件が追加されることもある。

技術仕様の標準の中には、企業などが自社製品に用いるために開発したものが普及し、仕様が公開されないまま事実上の標準となったものがある。その場合、仕様はある種の企業秘密として秘匿され、自社および個別に契約を結んだ他社にのみ提供される。

一方、オープンスタンダードは仕様が広く一般に公開されており、誰でも規格書などを入手して仕様を参照し、対応製品を開発することができる。政府機関などが策定する公的な標準規格や、国際的な標準化機関による国際標準などが該当し、企業連合などが策定する規格にも公開されているものが多くある。

他の条件

なお、ITU-Tなどの標準化機関ではオープンスタンダードに特許技術が含まれることは許容しており、その場合は製品などに実装する際、権利者に対して特許料を支払う必要がある。EUなどの採用する定義では、特許を含め実装に金銭的な対価を求める標準はオープンスタンダードとみなさないとしている。

また、標準策定までのプロセスについての条件が含まれる場合がある。例えば、仕様検討の場が利害関係者に開かれているか、議論の過程が公開されているか、特定の関係者が権限を独占したり、意向を強く反映できる意思決定方法が採用されていないか、といった点に着目する場合がある。

オープン標準の例

オープンスタンダードの例としては、IPInternet Protocol)をはじめとするインターネット標準プロトコルの多くや、HTMLCSSXMLなどWeb関連技術の標準、EthernetWi-FiUSBなど通信方式の標準などがある。米アドビAdobe)社の文書形式「PDF」を元に策定された標準規格「PDF/X」のように、当初は自社独自仕様だったものが標準化されて仕様が公開された例もある。

(2024.9.10更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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