USBマスストレージクラス 【USB Mass Storage Class】 MSC
概要
USBマスストレージクラス(USB Mass Storage Class)とは、USB機器の典型的な機能や接続・制御仕様の標準を定めたUSBデバイスクラスの一つで、ストレージ(外部記憶装置)について定めた規格。また、同規格に基づいて設計されたUSBストレージ装置を認識・制御することができる汎用のデバイスドライバ。USB以前の周辺機器は制御仕様などが製品によって異なり、それぞれ固有のドライバをコンピュータに導入しなければ操作できなかった。USBでは機器の類型ごとに基本的な共通仕様を「デバイスクラス」(device class)としてまとめ、これに準拠する範囲の機能や操作であればOS組み込みの汎用のドライバソフトで対応できるようになった。
USBマスストレージクラスは永続的にデータを保存できるストレージ機器を扱うためのクラスで、USBハードディスク、USBメモリ、メモリーカード(USBメモリーカードリーダー経由)などを接続することができる。
また、デジタルカメラやスマートフォン、タブレット端末などの機器も、コンピュータとUSBケーブルで繋いだ際の挙動として、挿入されたメモリーカードや本体の内蔵ストレージ(組み込みフラッシュメモリ)などをUSBマスストレージクラスとして読み書きできるようになっているものがある。
MSCモードとMTPモード
MSC接続ではUSB装置側が自律的に動作して内容を書き換える可能性を考慮していないため、スマートフォンのようにそれ自体が一つのコンピュータであるような装置をつないだ場合、パソコン側からの操作と装置自身の操作がかち合って不具合が生じる可能性があった。
後に策定されたMTP(Media Transfer Protocol)では、装置側のファイルシステムを管理するのは装置側で動作しているOSであり、パソコンからはファイル単位で送受信を行なうため、このような問題は生じない。Androidスマートフォンを中心に、パソコン接続時の動作をMSCモードにするかMTPモードにするか切り替えられるものが登場している。
(2018.9.15更新)