SMS 【Short Message Service】 ショートメッセージサービス / ショートメール

概要

SMS(Short Message Service)とは、携帯電話間で短い文字メッセージを送受信できるサービス。相手の電話番号を指定して、日本語なら数十文字、英数字なら百数十文字程度までの文字のメッセージを、加入者間で即時に交換できる。

世界的には、第2世代(2G)携帯電話の標準として世界中で普及した「GSM」規格の一部として、140バイト(7ビットアルファベットで160文字)までのメッセージを交換できる標準規格が普及し、国や通信会社(キャリア)の違いを問わず利用できることから広く普及した。

日本でもこれに相当する文字交換サービスは提供されたものの、2G標準としてGSMが採用されなかったこともあり、キャリアごとに独自の技術規格が策定・採用され、別のキャリアの加入者や国外とはやり取りできない状況が続いた。

2011年7月から国内のキャリア間で相互接続が開始され、一部のキャリアでは国外との送受信も可能となったが、携帯電話端末が独自の進化を遂げ、端末上でインターネットのeメールを直に送受信するのが標準的になったため、SMSの利用は広がらなかった。

SMSを拡張し、画像や音声などを添付できるよう拡張したものを「MMS」(Multimedia Messaging Service)という。1通の送信につき数円から数十円課金される場合が多い。欧米では2000年代に一定の普及を見たが、日本ではeメールに画像ファイルなどを添付する方式が利用されたためほとんど普及しなかった。

2010年代にスマートフォンの普及や携帯端末からのインターネット利用、事業者側ネットワークIP化が進展すると、IPネットワーク上でSMSやMMSに相当するメッセージ交換サービスを実現する「RCS」(Rich Communication Services)への置き換えが進んだ。日本では三大キャリアNTTドコモauソフトバンク)が従来のショートメッセージを拡張する形で「+メッセージ」の共通サービス名で展開している。

(2022.5.17更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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