eSIM 【embedded Subscriber Identity Module】 組み込み型SIM
概要
eSIM(embedded Subscriber Identity Module)とは、携帯電話の契約情報などが記録されたSIMカードを機器内部に固定的に組み込んだもの。カードを物理的に交換しなくても利用者の操作で契約情報を書き換えることができる。スマートフォンなどの機器で移動体通信事業者(携帯電話キャリア)の無線ネットワークに接続して通話やデータ通信を行う場合、契約情報や電話番号などの識別情報(プロファイル)を記録したSIMカードと呼ばれる数ミリ角の小さなICカードを機器の専用のスロットに差し込む必要がある。
eSIMはこのSIMカードの機能を機器内部の電子基板などに直に実装された専用のICチップで代替する方式で、契約情報などのデータは利用者の操作によって事業者側からインターネットなどを通じてダウンロードし、記録したり書き換えることができる。
カードを内蔵型とすることで、機器の製造時にSIMカード機能を組み込んでおくことができ、電話機以外の多様な機器や使用環境へ対応しやすくなる。また、契約情報をデータとしてやり取りできるため、通信サービスの契約時や乗り換え時にカードの物理的な受け渡しや入れ替えが不要になり、手続きを円滑にすすめることができる。
端末や事業者の対応状況によっては、一つのeSIMに複数社の契約情報を記録して必要に応じて切り替えて使用(デュアルSIM/トリプルSIM)したり、逆に、一つの契約を複数のeSIMで有効にして複数の機器で同時に通信するといった、物理的なカードでは困難な柔軟な利用方法が可能な場合もある。
(2020.10.23更新)