InfiniBand
概要
装置間を一対一で接続するポイントツーポイント型の通信インターフェースで、双方向通信が可能なシリアル伝送方式を採用している。集線装置を介して複数の機器間を接続し、スイッチドファブリック方式のネットワークを構成することもできる。
主な仕様
物理的な伝送路として、電子基板上でICチップ間を結ぶ配線、最長10メートルまでの金属線(導線)ケーブル、最長10キロメートルまでの光ファイバーケーブル(QSFPコネクタ)を利用することができる。機器内の接続では基板内の配線を、機器間の接続では光ケーブルを用いることが多い。
伝送路の基本単位を「レーン」(lane)という。単体で用いる「1x」方式の他に、複数のレーンを束ねて一体的に運用することができる。レーンを4本束ねた「4x」なら4倍、8本束ねた「8x」なら8倍、12本束ねた「12x」なら12倍の速度で通信することができる。伝送時の遅延(レイテンシ)も重視しており、1マイクロ秒(100万分の1秒)以下の低レイテンシで通信することができる。
世代と伝送速度
2001年に策定された最初の規格は「SDR」(Single Data Rate)と呼ばれ、1レーンで2Gbps(ギガビット毎秒)、12xで24Gbpsとなっている。2005年の「DDR」(Double Data Rate)は1レーンで4Gbps、12xで48Gbps、2007年の「QDR」(Quad-Data Rate)は1レーンで8Gbps、12xで96Gbpsである。
その後も高速化は続き、2011年の「FDR」(Fourteen Data Rate)は1レーンあたり約14Gbps、2014年の「EDR」(Enhanced Data Rate)は25Gbps、2018年の「HDR」(High Data Rate)は50Gbps、2022年の「NDR」(Next-Generation Data Rate)は100Gbps、2024年の「XDR」(eXtreme Data Rate)は200Gbpsとなっている。
