エラスティック 【elastic】
概要
エラスティック(elastic)とは、伸び縮みする、弾力性のある、弾性の、融通が効く、などの意味を持つ英単語。物体や素材の性質として、ゴムのように弾力があり伸び縮みする様子を指す。ITシステムについてエラスティックという場合、性能や容量を動的に変更することが可能で、利用者の数や処理要求の量に応じてシステム規模が増減するような仕組みを備えていることを意味する場合が多い。
仮想化技術などを利用し、CPUの処理時間や占有CPUコアの数、メモリ容量、ストレージ容量、通信速度などの割当量を動的に変化させ、要求量が増大したシステムにはより多くの資源を与え、減少したシステムからは資源を引き取るという制御を行なう。
固定的な割当によって生じる局所的な高負荷や有休資源の無駄を排除し、効率的に資源を活用することができる。クラウドサービスのように資源の使用量や占有量に応じた従量課金制の場合には、コストの最適化も図ることができる。
「スケーラブル」(scalable)もIT分野ではシステム規模の柔軟な拡張・縮小という似たような意味で用いられるが、こちらは「拡張する余地がある」「拡張が容易である」といった内容を表すことが多い一方、「エラスティック」は時々刻々の状況の変化に追随して自律的に規模の伸縮を実施できるという意味が込められることが多い。
Elastic社
オランダのソフトウェア企業にElastic(エラスティック)社があり、オープンソースの全文検索エンジン「Elasticsearch」(エラスティックサーチ)や、これを含む総合的なデータ活用ソフトウェアパッケージ「Elastic Stack」(エラスティックスタック)などを開発している。文脈によっては同社やその製品を指してエラスティックと呼ぶ場合がある。
(2022.2.28更新)