CRLF 【Carriage Return / Line Feed】 CR/LF

概要

CRLF(Carriage Return / Line Feed)とは、テキスト(文字)データの中で改行を指示する特殊な文字コードの組み合わせで、CR(Carriage Return行頭復帰)とLF(Line Feed改行)をこの順に繋げたもの。正規表現では「¥r¥n」と表記する。

1960年代に標準化された文字コードASCIIでは、タイプライターの動作に基づいて、カーソルなど文字入出力の現在位置を同じ行の先頭に移動する「CR」(キャリッジリターン)を13番(16進数表記0D)として、一行下の同じ桁に移動する「LF」(ラインフィード)を10番(16進数0A)としてそれぞれ定義した。

当時のテレタイプ端末シリアルプリンタなどでは実際にこの二つを使い分けて制御が行われていた。時代が下り、ディスプレイ装置(モニター)が普及すると、改行行頭復帰は一体的な動作とするのが一般的となり、CRとLFが別に存在する意義は薄れたが、今度はコンピュータ上の改行動作をCRで表すか、LFで表すか、CRとLFを続けて記すかが問題となった。

米マイクロソフト(Microsoft)社はオペレーティングシステム(OS)製品のMS-DOSや後継のWindowsシリーズで、テキストデータの標準の改行コードとしてCRLFを採用したため、これらのシステム上でテキストファイルを作成すると改行がCRLFとして記録される。

一方、米アップル(Apple)社の旧Mac OSシリーズではCR単独を、LinuxなどのUNIX系OSや、現行のmacOS(Mac OS X)シリーズではLF単独を標準の改行コードに採用した。Windowsやこれらのシステムの間でテキストデータを交換する際には改行コードの変換などが必要となる場合がある。

なお、C言語など多くのプログラミング言語の文字列リテラルにおけるエスケープ文字や正規表現などでは、CRを “return” に由来する「¥r」(日本以外では¥記号はバックスラッシュ「\」となる)という表記で、LFを別名である “new line” に由来する「¥n」(同)という表記で表す。CRLFは「¥r¥n」と表記する。

(2024.2.26更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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