顔文字 【emoticon】 エモーティコン / smiley / スマイリー

概要

顔文字(emoticon)とは、文字を組み合わせて人の顔や表情を表したもの。笑顔 (^_^) や泣き顔 (T_T) 、怒り顔 (-_-#) など、様々なものがある。欧米では :-) のように横に倒したものが使われることが多い。絵文字のうち顔や表情を表したものを指す場合もある。

初期のインターネットでは文字しか伝達できないシステムが多かったため、ニュアンスや感情を表現するために文末などに記す用法が広まった。文章だけでは誤解を与えかねない場合などに、語調を和らげることができるという利点がある。

一方、手紙に絵を添えるようにくだけた調子になるため、あまり親しくない人に対して使うと馴れ馴れしい印象を与えることがあるので注意が必要である。一般に、仕事相手への電子メールなど、改まった場では用いるべきでないとされている。

歴史と言語による違い

欧米ではタイプライターの時代から顔に見立てた文字の並びが文書や電報に使用されていた記録があるが、日本では1980年代にパソコン通信で使用されたのが始まりだとする説が有力となっている。

欧米圏では使用できる文字がアルファベットと数字、およびいわゆる半角記号のみであるため比較的シンプルなものが多いが、日本では漢字やかな、キリル文字、ギリシャ文字、全角英数字など様々な文字や記号を組み合わせ、独自の表現が発達した。同様に、中国語圏では漢字を取り入れたものが、韓国ではハングル文字を取り入れたものが独自に発達している。

携帯電話の絵文字・顔文字

日本の携帯電話では1990年代末頃から、記号文字の考え方を拡張して様々な物事や概念を表す絵を一文字に表した絵文字が利用できるようになり、その一部として笑顔や泣き顔などの顔文字も収録された。

当初は各携帯電話・PHS事業者(キャリア)独自の拡張仕様として同じキャリアの加入者同士でしか交換できない機種依存文字だった(他社加入者へ送ると文字化けしたり下駄記号「〓」になった)が、2000年代半ばに各社のメール送受信システム透過的に相互変換する仕組みが整えられ、共通して利用できるようになった。

Unicodeの絵文字・顔文字

日本の携帯電話絵文字を参考に、文字コードの国際規格であるUnicodeにも絵文字が採用されることになり、2010年のUnicode 6.0から“Emoji”として登録が開始された。

顔文字も大量に登録されており、Unicode対応フォントで容易に入力・表示できるようになったため、現在では “smiley” “emoticon” といった単語は伝統的な文字を組み合わせた顔文字ではなくUnicode Emojiの顔文字を表すのが一般的になりつつある。

(2019.4.15更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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