リアルタイム処理 【real-time operation】 実時間処理 / RT / リアルタイムシステム

概要

リアルタイム処理(real-time operation)とは、データの処理要求が発生したときに、即座に処理を実行して結果を返す方式。コンピュータ利用者の指示や状況の変化に呼応してすぐに処理を実行する。

「即時」の意味合いはシステムの種類によって微妙に異なっており、業務システムなどではバッチ処理と対比して処理要求を受けたら即座にシステムに投入する(開始が実時間の)方式をリアルタイム処理というが、組み込みシステムなどでは処理ごとに設定された制限時間を超過しないよう制御する(終了が実時間の)方式をリアルタイム処理と呼ぶ。

業務システムなどのリアルタイム処理

企業の情報システムなどのデータ処理の方式の一つで、利用者の操作や外部からの処理要求などが届くと間を置かず即座に処理を実行する方式をリアルタイム処理という。

一定期間や一定量ごとにデータをまとめて一括して処理するバッチ処理と対比される方式で、システムの負荷の調整は難しいが利用者にとっては要求が即座に反映されるため利便性が高い。利用者の操作に基づいてう場合を特に「インタラクティブ処理」(対話処理)という。

組み込みシステムなどのリアルタイム処理

機械の制御などをコンピュータシステムでは、処理を現実の世界に反映させるための終了期限が決まっている場合がある。例えば、自動車のブレーキアシストシステムが一回の障害物検知処理に何分もかけていたら、ブレーキ操作をう前に障害物に激突してしまう。

このような場合に、反応を返すまでの遅延時間に許容範囲を設定して、それを超えないように命令の実行順序などを工夫する処理方式をリアルタイム処理という。一般的な汎用コンピュータ向けのオペレーティングシステムOS)ではそのような処理は難しいため、専用に設計された「リアルタイムOS」(RTOSreal-time OS)が用いられる。

このうち、自動車のエアバッグ制御システムのように期限(デッドライン)までに処理が終了しないとシステム自体に致命的な問題が生じるものを「ハードリアルタイムシステム」(hard real-time system/immediate real-time system)という。

一方、座席予約システムのように遅延に応じて結果の価値が漸減するが致命的な結果は招かないものを「ソフトリアルタイムシステム」(soft real-time system)という。両者の中間で、期限を過ぎると処理の価値はゼロになるがシステム自体は致命的な影響を受けないものを「ファームリアルタイムシステム」(firm real-time system)と分類することもある。

(2019.12.16更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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