フリーソフトウェア 【free software】 フリーソフト
概要
フリーソフトウェア(free software)とは、利用者が自由に使用、複製、改変、再配布などを行うことができるソフトウェアのこと。無償で入手・利用できるソフトウェアという意味で用いられる場合もあるが、無償のソフトウェアのことは「フリーウェア」と呼んで区別すべきだとする主張もある。フリーソフトウェア財団(FSF)などが主張するフリーソフトウェアの定義では、コンピュータプログラムの実行可能ファイルだけでなく人間が理解しやすいプログラミング言語で書かれたソースコードが公開されており、誰でも自由に入手、使用、再配布、販売、複製、改変、別のソフトウェアへの組み込みなどを行うことができるものを指す。
利用者がどのように扱うのも「自由」(free)である、という点に力点が置かれる概念であり、例えばオリジナルの開発元が有償で販売していても、その後の取り扱いを自由と定めていればフリーソフトウェアであると考えられる。
フリーウェア (freeware)
一方、1980年代に安価な個人用コンピュータ(マイコン/パソコン)が普及し始めると、これを用いてアマチュアの個人開発者が作成したソフトウェアを無償で配布するという活動が活発になり、英語圏などでは “freeware” の呼称で広まった。日本では「フリーソフト」と呼ばれることが多かった。
こちらは入手や使用に対して対価を求めない「無料」(free)である、という点に力点が置かれた概念であり、多くの場合は実行可能形式のファイルのみが配布された。ソースコードは公開されないため利用者側での改変や組み込みの自由はなく、また、再配布等に関しても制限(販売してはならない等)を設ける場合があった。
自由か無償か
「フリーソフトェア」「フリーウェア」「フリーソフト」は元になった単語が同じで字面が極めて似ており、ほとんどのフリーソフトウェアは無償でもあるため、「自由」「無償」の区別や呼び分けは普及しておらず、混同されがちである。
プログラムを必要に応じて手直しして使う開発者兼利用者のコミュニティでソフトウェアの公開・配布する場合、自由と無償の区別は重要だが、現代ではソフトウェアを「利用するだけ」の利用者が大半であり、彼らにとっては無料で使えるかどうかだけが関心事であることも世間一般にこのような区別が浸透しない要因となっている。
オープンソースソフトウェアとの違い
ソースコードが公開され、誰でも自由に入手できるソフトウェアをオープンソースソフトウェア(OSS:Open Source Software)という。
大半のオープンソースソフトウェアはフリーソフトウェアでもあるが、開発元が適用するライセンス(利用許諾契約)によっては、必ずしもプログラムの取り扱いが完全に自由なわけではないため、フリーソフトウェアとは呼べない場合もある。企業がソフトウェア製品を独自のライセンスでオープンソース化した場合などにこのような事例がある。