シェアウェア 【shareware】

概要

シェアウェア(shareware)とは、ソフトウェアの配布・利用許諾方式の一つで、取得と初期の使用は無償だが、利用期間や機能に一定の制約があり、これを解除して継続的に使用したい場合に料金の支払いを求めるもの。

利用者は開発元からソフトウェアを無償で入手して使い始めることができるが、これは一種の試用版・体験版であり、機能の一部が制限されていたり、最初の起動から一定期間経過すると起動できなくなったりする。

利用者ソフトウェアを気に入って、正規版の使用を希望する場合は、開発元へ所定の料金を支払うと正規版が利用可能となる。正規版が試用版と別になっており、開発元が購入者のみに正規版を提供する場合と、試用版に開発元から知らされた特定のコードパスワード)を入力すると制限が解除され、正規版になる場合がある。

類義語

開発者が対価の支払いを求めず、無償で制約なく利用できるものは「フリーソフトウェア」(フリーウェア/フリーソフト)という。任意の寄付を求める(必須ではないため無料で使い続けることもできる)ものは「ドネーションウェア」(donation:寄付)あるいは「カンパウェア」という。

無償だが広告の閲覧や視聴を要求する(操作画面上に強制的に表示される)「アドウェア」(ad広告)、作者に感想などを書いた郵便はがきの郵送を求める「ポストカードウェア」、これを電子メールで送るよう求める「メールウェア」などの提供方式もある。

歴史

1980年代前半のアメリカで、当時普及し始めていたパソコン向けに個人の開発者が作成したソフトウェアの提供方法として考案され、次第に企業なども利用するようになった。“share” は共有する、分かち合うという意味だが、「開発費を作者と利用者で分担する」という意味合いが込められていた。

日本では1980年代中頃から広まり始め、主にパソコン通信や雑誌・書籍の付録CD-ROMを通じて個人開発のシェアウェアが頒布された。現代ではWebサイトオンラインストアなどで試用版を無償配布し、購入手続きをすると正規版に昇格するという手法が用いられる。

(2024.9.11更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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