アンダーバー 【underbar】 アンダーライン / アンダースコア
概要
アンダーバー(underbar)とは、記号文字の一つで、下端に横線を引いた下線符号「_」のこと。元はタイプライターにあった記号で、一度文字を打った後に紙を戻して同じ場所に「_」を打つと、文字に下線を引くことができた。コンピュータ上の文字としては、ハイフン(-)やスペース(空白)に特別な意味があり、単語の区切りとして使用できない状況で、これらの記号の代わりとして用いられることがある。この使用法はファイル名やディレクトリ名、WebページのURL(パス部分)、電子メールアドレスなどでよく見られる。
同様に、プログラミングでは「array_change_key_case」のように複合的なシンボル名(変数名、関数名など)を記述する際に区切り記号としてアンダーバーを用いる記法があり、これを地面を這う蛇の様子になぞらえて「スネークケース」(snake case)という。
言語仕様などで特別な記法の一部に用いられることもある。C言語などでは「__FILE__」のようにアンダーバーと大文字で始まるシンボルは処理系が使用する予約語となっている。Markdownでは「_Underlined_」のようにアンダーバーで挟んだ箇所はイタリック体(斜体)で、「__Bold__」のように2つのアンダーバーで挟んだ箇所はボールド体(太字)で表示される。TeXでは下付き文字「X0」を「X_0」のように表記する。
文字コードと入力方法
文字コードでは欧米で標準的に用いられているASCIIに95番(16進数5F)として収録されており、古くから使われている。初期の規格で95番はタイプライターから引き継いだ「←」(左矢印)が割り当てられていたが、最終版で「_」に変更された。
国際的な文字コード標準のUnicodeでも同じ95番(U+005F)に収録されているほか、日本語文字コードに由来する全角アンダーバー「_」が65343番(U+FF3F)に収録されている。なお、Unicodeではタイプライターのように文字と合字して下線を引くための専用の文字として、818番(U+0332)に「COMBINING LOW LINE」が用意されており、「A̲」のように直前の文字に下線を引くことができる。
標準的な英字配列のキーボードでは、数字の横にある「_ -」キーをShiftキーと同時押しすることで入力することができる。日本語キーボードの標準であるJIS配列では位置が変更されており、右下にある「_ \ ろ」キーをShiftキーと同時押しすることで入力できる。